2002年に発売された神ゲー「ファントムクラッシュ」について書きなぐる。
「初代xbox」という売れないハードで発売したせいか、売れ行き的には不調だったようです。でもかなり面白いゲームだった。
というわけで、当時の記憶を思い出しつつ、感想を書いていきます。
※PS2にて、続編「ファントムクラッシュ スレイ」が発売されてますが、そちらは未プレイです。
昔ドハマりしてたゲームの感想を書くシリーズです。
ほとんどのタイトルが今手元に無いので、当時の記憶を思い出しながら書いています。
だから、「そんな要素無かったし」という記憶違いがあるかもしれません。 その時はアレです。ごめんなさい。
「ファントムクラッシュ」の詳細
タイトル | ファントムクラッシュ |
---|---|
発売日 | 2002年6月20日 |
プラットフォーム | 初代Xbox |
ジャンル | 対戦ロボットアクションゲーム |
・「ランブリング」という、まるでオンライン対戦のように好き勝手「バトロワゲーム」にログインして戦うという斬新なシステム
・マシンカスタムが苦手でも熱中できる、ライトなカスタム要素
世界観の説明
2031年。
日本も砂漠化が進み、東京は都市機能を失い崩壊する。
しかし「旧東京(オールドトーキョー)」として、「ランブリング」の舞台となることで、経済的に復活する。
「ランブリング」とは「バトルロイヤル」のようなもので、常に誰かしらのプレイヤーがログインして、そのマップ内で戦い続けている。
戦うと言っても、プレイヤーは「スクービー」と呼ばれるメカに搭乗しているので、実際にプレイヤーがダメージを受けることは無い。
プレイヤーは自分以外の敵を撃破することで賞金を手にする。
逆に撃破されたら、機体の修理費が必要になる。
ランブリングの様子はテレビで生中継されており、人々にとって高い人気を誇る娯楽となっている。
ユニークなゲームシステム
このゲーム旦那さんがずぅーとやってるゲーム。Xboxなんだけど、このゲームをやるためだけに本体を何度も買いかえるぐらい好きらしい。#ファントムクラッシュ#Xbox pic.twitter.com/MwvebggHmG
— つぶ (@shi666no) 2018年4月8日
とにかく「ランブリング」というシステムが面白い。
「新宿」「渋谷」「アクアライン」という3つのマップがあり、プレイヤーは好き勝手にランブリングにエントリーできる。
もちろんそれは他のキャラクター(CPU)も同じ。
皆「賞金稼ぎ」の為に戦いに参加する。
そして一度エントリーしたら、後は自分の戦い方をするだけで良い。
雑魚敵を倒しまくって、自分が欲しいと思える金額に達したら、そのままログアウトすればいい。(勝ち逃げ)
というかこの「勝ち逃げ」がランブリングの基本。
もし負けたら高額な修理費が発生する為、マイナスとなってしまう場合もある。(トータルでプラスになればそれでも良いのだが)
というわけで、この世界には「賞金稼ぎ」のキャラクターだらけ。
もっと上を目指すなら「ランカー」になれ
「ランカー」という概念もある。
ランカーはその辺の賞金稼ぎと違い、本格的に上を目指す人たちである。
よって、主人公にとっての「ボス」はこのランカーたちだ。
下から、
・Cランク
・Bランク
・Aランク
・マスターランク
とあり、各ランカーに「ランク戦」を挑み、下から順に勝ち上がっていくことで自分にランクが付く。
いきなりマスターランクに挑めたかもしれない
Cランクの下もあったかもしれない
そしてこれらのランクは、3つのマップそれぞれで独立している。
だからプレイヤーは、「新宿」「渋谷」「アクアライン」それぞれで「マスターランク」を目指すことになる。
そして全てのマップのマスターランカーを倒したら、いよいよラスボスとの闘い。
ザックバランに説明したが、これがファントムクラッシュのゲームシステムだ。
かなりユニーク。
カジュアルだけど、熱中度が高い「マシンカスタム」
「#ファントムクラッシュ」より
アーロン pic.twitter.com/sDUuFLH9ds— モズオ (@mozuosan) 2017年8月7日
ファントムクラッシュはロボゲーなので、当然「カスタム」がある。
カスタムの対象は、主人公が登場する「スクービー」だ。
まず、「どこのメーカーのスクービーを使うか」というところから選択肢がある。
フォトン→軽量で足が速い
アーロン→重量感があり、耐久性がある
ホーリー→バランス派
こんな感じ。
どことなく「ホンダ」とか「トヨタ」みたいな、日本の車メーカーを想起させる。
メインとなるメーカーを決めたら、次は「パーツ」を組み上げていく。
・ボディ
・右手武器
・右肩武器
・左手武器
・左肩武器
・レッグ
確かこういう選択肢があったはず。
もしかしたらボディーは無かったかも・・・
「武器」の種類は、ガトリング、ロケラン、ブレード、ハンマーなど様々。
それを4つ搭載できるので、自分の戦い方に合わせ、好きなようにカスタマイズできる。
特に重要なのが「レッグ」。
レッグは「二本足」「多足」「ローラー型」「ホバー型」などがあり、それぞれ「移動スピード」や「ジャンプ力」に影響を与える。
そんな感じで、自分好みのスクービーを作り上げていく。
マシンパーツを選んだ後は、チューニング!
#ファントムクラッシュ
久しぶりにファントムクラッシュやれたよ。モジュール買いに行ったらレーザーキャノンなんてうってるのな。フォトンにはそんなの無かった気がするなぁ。高くて買えないな。 pic.twitter.com/Enfa4H3Iwj— 青髭 (@toilettguy) 2018年4月11日
凄くシンプルだが、マシンパーツのチューニングこそファンクラの醍醐味。
*ファンクラ:ファントムクラッシュの略
チューニングと言っても、「パーツを今より軽くするか、重くするか」という調整だけ。
でもそれだけでかなりの変化がある。
→軽くする
・装填数が増える(メリット)
・威力が減る(デメリット)
・耐久力が減る(デメリット)
→重くする
・装填数が減る(デメリット)
・威力が増す(メリット)
・耐久力が増す(メリット)
→軽くする
・耐久力が減る(デメリット)
→重くする
・耐久力が増す(メリット)
ざっくりとこんな感じだ。
確かマシンの総重量で、実際の移動速度やジャンプ力に影響があったと思う。
パーツのチューニングは、起点が「0」で、それを「Light」か「Heavy」のどちらかに1メモリづつチューニングしていく。
MAXのふり幅は「100」。
チューニングはプロの業者にお願いする為、1メモリごとにお金がかかる。
その1メモリの料金差もパーツによって異なるという徹底ぶり。
例えば「元から安い雑魚パーツ」なら、カスタムしてもそんなにお金がかからない。
だが「高額なレアパーツ」であれば、調整も高額になる。
強い相手に挑むためには、基本的には「Heavy」に振っていくことになる。
しかしそうなると「重量過多」となり戦闘不能状態となってしまう為、それを防ぐために「レッグ」を更にHeavyにしていくことになる。
ちなみに「重量過多」となっても戦闘は出来る。
しかし移動速度がアリエナイ程遅くなるため、まともに戦えない。
カスタムの自由度が高い
「めっちゃ軽くして、フィールドを走り回るトリッキーなプレイスタイル」
「超ヘビーなパーツだらけにして、マップをゆっくり歩きまわる」
いろんなプレイスタイルがある。
中でもユニークなのが、「武器を一つしか装備しない」というカスタム。
意外にも、序盤はこういうカスタムで戦い続けることになる。
例えば「右手だけ」しか武器を装備しないのであれば、期待の右側だけがゴツく、それ以外はスッカスカな見た目になり、中々ダサイ。(走行などには影響を与えない)
しかしそうやって他の武器を排除することで、「重量過多」を防げる。
最初はこのようなダサイスクービーで戦いに勝ち続け、次第に整えていく。
なんなら「重量過多」でも、戦おうと思えば戦える。
重すぎて移動スピードが話にならないが、ログイン位置に居座り続け、そこに寄ってきた敵を刈り取る。
そしてある程度撃破したら、すぐにログアウトする。
戦い方はマジで何でもあり。
完成された世界観・生態系
「ランブリング」は、現代でいう「ネット対戦」に近い雰囲気がある。
先ほどから「ログイン」「ログアウト」という言葉を使っているが、別に電脳世界で戦ってるわけではない。
そしてこの「ランブリング」は、作中では「イベント」として扱われる。
まるでアングラなライブハウス。
「〇月〇日は新宿で、Cランカーだけのイベントをやるよ!」みたいなポスターを見て、主人公はランブリングにエントリーする。
そしてそのランブリングには、「東京バーニング」みたいなイベント名がある。
そしてそのイベントの中で、プレイヤーは好き勝手暴れまわり、お金を稼いだらログアウトする。
その様子は全世界に向け配信されており、恐らくその広告費かなんかで運営は稼いでいる・・・。
ランブリング会場の周りには「武器の修理屋」があり、そこで武器の修理、チューニングが出来る。
そこで中古パーツの購入もできる。
「俺は新車が欲しい!」と言うのであれば、メーカー直売店で新品のスクービーを購入も出来る。
CDショップもある。
そこで購入したCDでプレイリストを作り、ランブリング中にBGMとして再生可能。
これだけ環境が整っていると、本当にこの街が活きているような気がしてくる。
(ちなみに、プレイヤーはランブリング以外ではシステム画面での操作しかできない。にも拘わらず街の生きざまが伝わってくる)
ポップで重厚なストーリー
まるでジャンプ漫画のようなしっかりとしたストーリー。
全てのキャラクターになんらかのバックボーンがあり、だからこそ、そんなキャラクターたちと戦うランブリングも熱くなれる。
特に好きなキャラが「ロイ」。
見た目は「ナルト」みたいな奴。
面倒くさがりな性格。
「ロイ」は正に「賞金稼ぎ」としてランブリングに参加している「フリーター」的な存在。
そんなロイは、マスターランカーを目指す主人公に感化され、いよいよ本気になる。
そして「新宿エリア」のマスターランカーにまで上り詰める。
つまり主人公は、ロイと戦わなければならない。
しかもこの「ロイ」がめちゃくちゃ強い。
中ボスなのにラスボスよりも苦戦した。
また、ボス戦の時には「自分で用意したプレイリスト」ではなく、「固有ミュージック」が流れる。
「ロイ」の場合は「TEPPAN」の「ハートに傷ひとつきり」。
全てが最高の思い出となる戦いだった。
素晴らしいインディーズミュージックたち
ファントムクラッシュには、ユニークなミュージックが数多く用意されている。
ファントムクラッシュで本当にいろんな名曲と出会った。
その中でも一番思い入れが深いのが「TEPPAN」。
「ロイ戦」で流れた「ハートに傷ひとつきり」もそうだが、「ストロベリーミー」など、心の底から音源が欲しくなった曲が数多くある。
当時中学生だった僕は、どうにかしてTEPPAN様のCDを手に入れたいと思い、直接TEPPANに問い合わせた。
今でこそ有名になったTEPPANさんだが、当時は手売り。
直接TEPPANさんとやり取りして、CDを送ってもらい、銀行でお金を振り込んだ。
これは本当に、本当に素晴らしい体験だった。
未だに良く覚えてる。
泣けるエンディング
エンディングの前に、「チップ」について説明しなければならない。
本当は「マシンカスタム」の項目で説明すべきだったが、スクービーには「チップ」という人工知能を搭載する必要がある。
今でいう「Siri」とか「アレクサ」のようなもの。
チップはランブリング中に自分をアシストしてくれるもので、キャラクターによっては「へぇー。今の避けられたんだ。」みたいなフランクな口調で語りかけてくる。
チップには「鼠」「鳥」「犬」などの特性があり、まずそれらのキャラクターによって喋り方やアシストの方向性が異なる。
そしてこのチップはスクービーに付け替えが出来るので、スクービーを乗り換えたからと言ってお別れでは無い。
ファントムクラッシュのストーリーにおいても、チップはキャラクターとして活きている。
もちろん、ランブリングに参加する全ての登場人物はチップを持っている。
その「長年連れ添った者同士のやり取り」が凄く面白い。
そしてラスボス「Yuki」もチップと深い繋がりがある。
Yukiは非常にユニークなバックボーンを持っており、エンディングでは本当に涙が出た。
エンディング後の周回プレイで更に泣かせにくる
「Yuki」や「ロイ」は、プレイヤーが絶対に使うことが出来ない固有武器を装備しており、それが強力だから強い、という節がある。
しかしプレイヤーが「Yuki」を倒すことで、彼女はランブリングから引退した。
すると翌日、いつもの中古ショップで、Yukiが装備していたその固有武器が販売されていた。
それを見てプレイヤーは、「彼女は本当に引退したんだ・・・」と体感できる。
このように「状況だけでストーリーを伝える手法」を「環境ストーリーテリング」と言ったりするようだが、正にそれ。
最後の最後に、既存システムを応用してプレイヤーの感情に訴えかけてきたのだ。
初代xboxの神ロボゲー「ファントムクラッシュ」の感想と魅力:まとめ
まだまだ伝えきれない部分はたくさんある。
本当に神ゲーだった。
「ランブリング」というシステムは、オンライン環境が整った現代にマッチするはず。
だから現代で、オンラインモードを搭載して再販してほしい・・・!
きっと盛り上がってくれる。
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