【Fallout76レビュー】確かに面白いが、過去作に比べワクワクは減っていた

この記事はたぶん 7 分で読めます。

Fallout76の製品版を数時間プレイしたので、とりあえず現時点での感想を書く。

まだ表面的なところしかプレイしていないが、端的に言うと、「Fallout4に比べワクワク度は少ないが、それでもFalloutブランドを継承してる秀作」といった感じだ。

当記事ではレビューの後に「Fallout76のオンライン要素」について簡単に解説している。

※関連記事は最後にまとめて紹介します

※当記事は
「Fallout76 レビュー」
「Fallout76 感想」
「Fallout76 製品版」
「フォールアウト76 レビュー」
「フォールアウト76 感想」
「フォールアウト76 製品版」
などのワードで検索される方におすすめです。

良い点、悪い点、過去作との違いまとめ

良い点

・生きたプレイヤーがいるというのはやはり良い

・純粋に「Falloutブランドの新作が遊べる」という喜びがある

・Fallout4よりもグラフィックが向上している

悪い点

・出だしのワクワクを完全に捨ててる

・ストーリーがほぼ全てホロテープ

・NPCがいない無機質な世界

・使いづらいメニュー画面

〇過去作との違い

・「待機」が無くなった

・Fallout4では「椅子」に座ってはじめて「待機」が出来るシステムだったので、上手い具合に椅子というオブジェクトに意味を与えられていた。しかし本作ではまた椅子が単なるオブジェクトに逆戻り

・Vatsはただ「オートエイム」になるだけ。スローモーションになったり、時が止まるなどの演出は無し

・「C.A.M.P」というFallout4の「クラフト」を継承したシステムがあるが、「持ち歩きキャンプセット」的な印象で、あまり豪勢な「街」を作り上げるのは難しそう(容量的に)

・「イベント」という突発的に発生するチャレンジがあり、それに参加・成功するとアイテムが手に入る。Fallout4で言うところの「拠点が攻撃されてるから駆けつけろ」的な感じ

Fallout76の良い点

良い点①生きたプレイヤーがいるというのはやはり良い

本作最大のセールスポイント「マルチプレイ」

正直なところオンラインシステムに何も目新しいところは無く、純粋にFalloutの世界を複数のプレイヤーで旅しているに過ぎないが、それでもやはり生きているプレイヤーからは温もりを感じられる

Fallout4を80時間くらいプレイした頃、唐突に「この世界は凄く楽しいけど、結局NPCしかいないバーチャルの世界なんだ。」むなしくなる時があった。

 

これは言わば「オープンワールドあるある」のようなものだが、その際「Falloutの世界でオンラインプレイが出来れば良いのに」と願った。

そしてその夢は「Fallout76」という形で叶った。
Fallout76のマルチプレイは至って平凡なもので、「なるほど、マルチになったことでこういう楽しみ方があるのか」というような発見は今のところないが、それでも想像通りの面白さが詰まっている。

良い点②純粋に「Falloutブランドの新作が遊べる」という喜びがある

Fallout特有の「崩壊した世界」を堪能できるのはやはり良い
Fallout特有の「崩壊した世界」を堪能できるのはやはり良い

待ちに待ったFalloutシリーズの新作。
それがしっかりとしたクオリティーで遊べているという事実だけで嬉しい。

Fallout4のように街はしっかりとゴチャついているし、身体の内側から「ゾゾゾ・・・」と嫌な悪寒を感じるあのクリーチャーも健在。

Fallout76は間違いなく「想像通りの作品」であり「期待外れ」では無いので、僕たちはまた思いっきり崩壊したアメリカを旅することが出来る。

良い点③Fallout4よりもグラフィックが向上している

グラフィックは僅かに向上した
グラフィックは僅かに向上した

前作と同じプラットフォームでの販売だというのに、グラフィックは僅かに向上している。
事前情報にて、レンダリングエンジンが前作よりもパワーアップしていると言っていたので恐らくそのおかげだとは思う。

ただ「めちゃくちゃキレイになってるんだろうな」という意気込みでプレイすると実際にはそれほどでも無いので、気持ち的には「Fallout4を久しぶりにしよう」という気持ちでプレイした方が良いかもしれない。

Fallout76の悪い点

悪い点①出だしのワクワクを完全に捨ててる

Bethesdaプレゼンツのオフライン専用ゲーは、オープニングでプレイヤーをワクワクさせるのが本当に上手い
「Fallout3」「New Vegas」「Fallout4」と、僕は今まで何度もFalloutのオープニングに心を奪われてきた。

しかし本作では、オープニングでこれっぽっちもワクワクしなかった

序盤のつまらない作業のひとつである「キャラクリエイト」も、今まではユニークな状況を用意することでそこそこドラマティックに操作することが出来た。
しかし本作では、ただの「システムの一環」としてキャラクリさせられてる感が強かった。

よって没入感が低い

 

そして肝心の「Vaultから脱出して世界へ旅立つ瞬間」の演出も特に用意されていなかった。

Fallout3では、「Vaultで生まれ育った少年が初めて地上に出る」という熱さが、
Fallout4では、「戦前を経験したパパが戦後に外へ出て、昔との違いを感じる」という切なさがあった。

しかし本作はそういう演出が全く用意されていなかった。

悪い点②ストーリーがほぼ全てホロテープ

ホロテープ
ホロテープ

以外にも「ホロテープ」が好きなプレイヤーが多いようで、この点は割と好評のようだ。
でも僕は「ホロテープ」を聞くことや、「ログ」を読むことに苦痛を感じるので、この方向性がとにかく好きになれない。

例えば「予想外のところに隠されていた、それ一本で完結するミステリアスな内容のホロテープ」などであれば僕は非常に興味を持つ。

しかし、「ストーリーを追ううえで割と重要で長文なホロテープ(及びログ)」であれば、「とりあえず読んどくか・・・」と一気に作業的な気持ちに切り替わる。

他の方のレビューで知ったが、ゲームの世界には「環境ストーリーテリング」という「オブジェクトの配置等でストーリーを作り上げる」という手法がある。

例えば胸にナイフが刺さった女性の死体と、その横に毒入り瓶を持った男の死体があれば、それだけで「男が女を殺しその後自殺した」と状況把握が出来る。

こういう「語らないストーリー」は非常に好きで、本作にはその「環境ストーリーテリング」が割と含まれているのでそこは好きだ。
でもやっぱり本筋を理解する為にはテキスト情報がメインになるので、そこが少し苦痛だ。

悪い点③NPCがいない無機質な世界

 

僕は以前「オープンワールドゲームにハマった後、しばらくは現実が楽しくなる」という記事を書いた。

この中で、「楽しいオープンワールドは街がちゃんと生きている」と語ったが、本作はNPCが居ないという性質上どの街も死んでいる

もちろんこれは「Fallout4と違い戦後直後の話だから人がいなくて当然」という事でストーリー上は補完できるが、それでもビジュアル的に寂しい。

「予想外のところに住んでいるNPCを見つけて、そのキャラのバックボーンを考える」という楽しみ方は、Falloutのように「どのNPCともちゃんと会話が出来るタイプのゲーム」だからこそ出来たのだ。

本作はそういう楽しみ方が出来なくなったので、Falloutの世界への没入度はだいぶ減った。

悪い点④使いづらいメニュー画面

メニューのUI(操作性)が悪いのは過去作から引き継いでいるが、本作は更にゲームシステムが複雑になった事でそれが一層際立った。

 

正直覚えるのが面倒くさい。

どんなゲームだって、たいていは覚えることが多いので基本的には最初が一番面倒くさい。
でもそこを優れたUI等でカヴァー出来れば、一気に「スッと覚えていく心地良さ」に変わる。

本作は「紙製マップ」を導入したことで、あの見辛いPip-Boy上のデジタルマップから解放されたし、メニュー画面を「Pip-Boy」か「ゲーム系UI」か選べるようにもなったが、トータルで使いづらいUIの出来に比べたら、そんな配慮は取るに足らない。

個人的な感想:Falloutはシングル専用ゲーで良かった

出来ればもう一度「Fallout4のワクワク」を体感したかった。

もちろんまだプレイ時間が少ないので、これからいろんなロケーションを開拓し、マップを隅々までプレイしていけば話は変わってくるだろう。

とりあえずはそこに期待している。

オンライン要素はどんな感じか簡単に解説

「PvP(Player vs Player)」について

Fallout76のリリース前情報で「PvP」という単語がやたら連発されていた。
「PvP」とは「Player vs Player」の略で、サーバー上のプレイヤー同士での対戦形式のことを指している。

こう言うと「プレイヤー同士の戦闘が頻発して忙しそう」と思えるが、20時間近くプレイしても他のプレイヤーから攻撃された事は一度も無い

 

実際に攻撃されてもこちらから反撃しない限りは微量なダメージしか入らず、反撃して初めて「PvP」が成立しお互いまともなダメージを食らうというシステムになってるようだ。

そもそも他プレイヤーに撃ち勝ってもそこまでのメリットはなく、運営側もPvPが頻発するプレイスタイルはそこまで推奨していない様子。

プレイヤー同士は助け合う事が前提

Falloutシリーズはとにかくアイテムを拾うことが重要なゲームなので、まとまった敵を倒した後にアイテムの取り合いにならないか心配していた。

でもどうやら拾えるアイテムはプレイヤーごとに違うらしい。(推測です)
というのも、コンテナや敵の死体が不自然なくらい最初から空になってるいる事も多く、恐らくそれは他プレイヤー用のアイテムが入っているからだと思われる。

だから自分が拾えるアイテムがある入れ物は、逆に他プレイヤーから見ると空となってるっぽい。

「イベント」というシステム

時折「イベント」が発生し、それに参加し成功すれば救援物資が投下されるなどでアイテムが手に入る。

イベントには途中参加も可能で、イベントが発生すると割とすぐにプレイヤーが集まる。
(イベントの難易度は割と高いので、慣れないうちは他プレイヤーが集まってきたのを全体マップで確認してから参加した方が良いかも)

「見ず知らずのプレイヤー同士で一時的に集まり共闘する」というのは中々楽しく、仲間のことを助けてあげたり、逆に助けられたりするというシステムは本作の魅力のひとつ。

「C.A.M.P」について

 

プレイヤーはマップ上の好きな場所にキャンプキットを設営でき、そこを一時的なホームポジションに出来る。

CAMPを設置するとその付近で好きなようにクラフトでき、それはゲームを終了しても維持されるため、次回プレイ時はまた同じように再建可能。

基本的には所持アイテム数が限界に近付いた時にCAMPを設営し、荷物を預ける感じになる。
CAMP以外にも「収納箱」という入れ物がマップのそこかしこに点在しており、持っている不要アイテムはそこに入れていくことになる。
そしてそのボックス自体は他プレイヤーと共有しているが、中身は自分専用のアイテム入れとなっているので奪われる心配は無い。(CAMPと同期している)